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2018. 12.10

注入系のプチ整形は本当に安全か?注入剤で骨まで凹んだ!?

鼻のプチ整形などでも使用されるエンドプラスト。溶けないからこそ、長い年月をかけて、エンドプラストが顎の骨の下や裏側に回り込んでボコついています。手術で摘出したときにドロドロとでてきたのが、エンドプラストです。

◆鼻のプチ整形は手術に比べて安全か?

今では、日常茶飯事のようにヒアルロン酸を注入している方が増えています。これは10年前の日本と比べると大きく様変わりしてきました。かつては、ほうれい線やマリオネットラインなどのアンチエイジングとしての治療で使われてきたヒアルロン酸は今では、涙袋を作ったり、ぷっくり唇を作ったりと、形を変える目的で使用されることも増えてきました。この注入系の施術は、鼻整形(鼻形成)の中でも頻繁に使用される施術の一つです。

 

まずは、大きく施術を分類しますと、ご覧のような感じ。

鼻整形の一覧表。ヒアルロン酸注入やアクアミド、エンドプラストなども含めて分類。

 

この中で、人工物の注入系の部分が今回のテーマです。溶けるものの代表がヒアルロン酸ですね。このヒアルロン酸もかつての6ヶ月程度で溶けるものから、徐々に1.5年、2年(製造者情報)とヒアルロン酸の架橋を多くすることで溶けにくい製品が出てきています。一方で、なんども繰り返し注入するのがいやだわ、という方が溶けない注入系としてエンドプラストや、アクアミドなんかを注入しています。

 

ここで溶ける溶けないに寄らず、リスクとしてあるのが、塞栓症という血管の中に注入剤が入る現象。これは、血管を塞いでしまうので、その部分の血流が悪くなるので、ひどい場合には壊死といって皮膚が腐ってしまいます。また一箇所にたくさんの注入剤を入れることで周囲の血管を圧迫してそれが原因で、血流が悪くなるような二次的な影響もあります。

 

が、基本的には、危ない部分を避けて丁寧に施術を行うとこういった合併症は極めてまれです。では、安全なのか?といいますと、「溶けない系の注入剤は怖い」というのが私の意見です。世の中のネットを見てみますと、わりとありふれたもので、溶けないから半永久でいいですよ、なんていう文言がありふれていますが、そういった注入系の合併症をお治ししている側としては、いやいや、とんでもなく大変な合併症があるので、是非やめてくださいと心の中では思っているわけです。

 

具体的にみていきましょう。

 

エンドプラストが顎の骨の下や裏側に回り込んでボコるいている顎と、手術で摘出したときにドロドロとでてきたエンドプラスト

こちらの方は、顎にエンドプラストを注入して数年が経過した状態です。もともと顎の突出感をだすためにエンドプラストを入れたわけですから、黄色三角の部分に入れるはずがありません。しかし、そこにエンドプラストが大量にたまり、しかも横方向に拡がっています。これは、顎は突出している部分のため、押したり、ぶつかったりなどの外力がかかりやすい場所です。溶けるヒアルロン酸も同様に流れていきますが、こちらは徐々に溶けていくのに対して、エンドプラストなどの溶けない系は、流れたまんま、おされるままに拡がっていきます。もちろん、顎も入れたはずのエンドプラストはいなくなっているので、減ります。

 

この方の場合は、骨の治療でオトガイ形成という顎を出す手術をする際に、拡がったエンドプラストを綺麗に取り除きました。とはいえ、エンドプラストを包んでいた被膜は残りますし、アメーバ状に拡がったものを全部摘出できないこともあります。つづいてこちらの症例。この方の方がひどいです。

 

エンドプラスト3本分が顎の骨を溶かして窪みができている状態。

 

ご覧のように同じく顎の施術を行う際に切開をするとブヨブヨっと飛び出してきたエンドプロテーゼ。丁寧にこちらも取り除いていくと、なんと驚くことに、右写真の黄色の範囲で骨がしっかりとくぼんでいて骨が激しく変形していました。こちらの方は、エンドプロテーゼを複数回注入後5年ほど経過しています。

 

このように「エンドプラストが溶けない」ということがメリットとして記載されていることが多いですが、私としては、溶けないものだからこそ、外科的に取り除かないと変形は進んでいく、、、と感じるわけでゾッとするわけです。

 

こちらの方はお鼻と顎の両方にアクアミドを注入された方です。注入直後は鼻筋も細く通っていたけど、徐々に太くなっていったとのことです。触るとブヨブヨしていますし、横からみるとアバターみたいになっています。

アクアミドの鼻注入ででアバター鼻になっている。鼻も顎もアクアミドを取り出して、それぞれ鼻整形(鼻形成)とオトガイ形成をした症例。アクアミドの鼻注入ででアバター鼻になっている。鼻も顎もアクアミドを取り出して、それぞれ鼻整形(鼻形成)とオトガイ形成をした症例。

 

というわけで、こちらの方もお鼻の手術、オトガイ形成の際にどろどろのアクアミドを掻き出しました。ここにお示ししたのはごく一部の症例で多くの方が溶けない系の注入剤で困っています。というわけで、注入するときはそういった知識も頭に入れておいてくださいませ。ちなみに、10年ちかくヒアルロン酸をお鼻に入れ続けている方の施術をしたことがありますが、なんと同じくお鼻の骨が変形して凹んでいました。溶ける系の注入剤でも長い期間で骨にまで影響があるということですね。

山口 憲昭 医師

この記事の著者情報

Regno Clinic SBC 銀座院 院長

国際美容外科学会会員(ISAPS)/ 日本形成外科学会 専門医/ 本頭蓋顎顔面会会員
日本口蓋裂学会/ 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会エキスパンダー
インプラント実施医師/ 日本乳癌学会/ 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員